2023年10月10日にWindows Server 2012/2012 R2の延長サポートが終了する。対応策はさまざまだが、有効なアプローチとして多くの企業が検討しているのは「最新サーバー製品への乗り換え(移行)」だ。本記事では、2回にわたり、サーバー乗り換えの最適解を模索していく。第1回となる本稿では、マイナビニュースが2022年2月に実施した「自社サーバー管理に関するアンケート」をもとに、Windows Serverの移行における課題を確認し、最適なアプローチを導き出していく。
アンケート実施概要
- 調査期間:2022年2月3~5日
- 調査方法:インターネット調査
- 有効回答:マイナビニュース会員読者(IT関連技術職)200名
ビジネスの拡大にともない、サーバー環境の強化・刷新を検討する企業は増加傾向
現代のビジネスで競争力を維持するためには、データの利活用がもはや不可欠だ。そのため、企業のITシステムを運用している業務サーバーや、データの保管庫となるファイルサーバーの重要性も高まっている。ビジネスの拡大によりディスク容量がひっ迫し、サーバーの増強が求められているケースも少なくないはずだ。
特に昨今では、2020年1月にWindows Server 2008/2008 R2のサポートが終了し、さらに2023年10月10日にはWindows Server 2012/2012 R2の延長サポートも終了を迎える。サポートが終了したOSを使い続けるとセキュリティ面での問題が生じるため、サポート終了に合わせてサーバー環境の刷新を図るケースは多い。今回のアンケートにおいても、Windows Server 2012のサポート終了後に「そのまま使い続ける」と回答した企業は14%に過ぎず、クラウドへの移行(21.5%)やサーバーの入れ替え(16%)など、何らかの対応を検討している企業が多いという結果が出ている。
あらゆる業種でデジタルトランスフォーメーション(DX)が加速している現在、クラウドへの移行も現実的な選択肢といえるが、業務データを社外に置くパブリッククラウドサービスを、社内規定で利用できない企業も少なくないのが現状。そもそもサーバーOSを入れ替える際には、使用中のシステム・アプリが問題なく動作するのか検証する必要があり、IT管理者の負担はかなり大きい。クラウドに関するスキルの高いIT管理者が不足しているという企業では、「最新サーバー製品への乗り換え」というアプローチも有効な選択肢となる。実際、同アンケートでは、Windows Server 2008/2008 R2のサポート終了時の対応として、31.5%が「サーバーを入れ替えた」と回答しており、「クラウドに移行した」(15%)を大幅に上回っている。
アンケート結果から見えた5つの課題をクリアし、間違いのないサーバー移行を
とはいえ、最新サーバー製品の乗り換えは簡単なものではない。業務におけるITの重要性が高まり、ビジネスで利用するデータが増加を続ける状況のなか、要件に合わせたサーバーのサイジングや構成を決めるのは極めて困難なミッションといえる。アンケート結果からは、Windows Server 2008/2008 R2のサポート終了時に「アプリ・サービスの検証に時間を要した、検証できずにシステムに影響が出た」「サイジングや構成を誤り、安定稼働しなかった」「新しい環境を準備するうえでの情報収集に追われた」という企業も多いことが確認できる。また、「Windows 7のサポート終了と重なりリソースが足りなかった、予算が確保できなかった」と回答した企業も合計30%近くいたほか、11%が「サーバーがなかなか調達できなかった」と答えており、サーバー乗り換えを実行するうえでの課題が多岐にわたることが確認できる。
Windows Serverのサポート終了にともなうサーバー製品の乗り換えにあたっての課題として、アンケートから見えてきた項目としては、大きく以下の3つが挙げられる。
- ビジネス要件に合わせたサイジング・構成
- 乗り換えに費やすリソースやコストの削減
- 最新サーバー製品の迅速な調達
さらに同アンケートの、日頃のサーバー管理における課題についての質問では、20%以上の企業が「管理ツールのアップデートが面倒」「ファームウェア/ドライバのアップデートが大変」「障害対応に時間がかかる」「障害発生時の原因の追及が難しい」「障害が発生するタイミングが読めない」「セキュリティが心配」と回答している。これらの結果を踏まえると、サーバー乗り換えを実施する際には次の2点も考慮する必要がある。
- 各種アップデートを含む運用の自動化・効率化
- 障害対応・セキュリティ対応の迅速化
メーカー公式のオンラインストアから、先進機能満載のサーバー製品を購入するというアプローチ
Windows Server 2012/2012 R2の延長サポート終了をフックに、最新サーバー製品への乗り換えを検討するのならば、上記5つのポイントをおさえて製品や購入先を選定していくことが重要となる。特に近年では、テレワークの浸透や半導体不足などの影響により、製品の調達先に悩む(=納品が遅れる)ケースも出てきている。これまではサーバーをOA機器販売店やシステムインテグレーター経由で購入するのが一般的だったが、今回実施したアンケートでは「メーカー(担当営業)」(49%)、「メーカーのオンラインストア」(19%)と、メーカーからダイレクトに購入することで最適な製品を選択したいと考える企業も多いことが伺えた。
そこで注目したいのが、法人向けサーバー製品のリーディングカンパニーである日本ヒューレット・パッカード合同会社(HPE)が提供する「HPE ProLiant」シリーズと、同社が運営する公式オンラインストア「HPE DirectPlus」だ。
HPE ProLiantはOEM版Windows Server 2022のライセンスをセットで購入可能なサーバー製品で、AIを活用したクラウド型の運用ツール「HPE InfoSight for Servers」を無償で利用可能。世界中で利用されている製品から収集したデータを解析し、運用の自動化や障害の予兆検知などを実現できる。
HPE DirectPlusは、エンドユーザーや販売パートナー向けのコールセンターを用意し、製品選択やサイジングを強力にサポート。最短5営業日で納品可能なモデルを用意するなど、公式オンラインストアならではの手厚さ、迅速な調達を実現している。
第2回では、構成・サイジングの支援から見積もり・購入までをワンストップで提供するオンラインストアの詳細や、そこで扱う運用・セキュリティ面の課題を解決できるサーバー製品についてなど、サーバー乗り換えのアプローチについてより詳しく見ていきたい。
[PR]提供:日本ヒューレット・パッカード
Windows Server 2012 / 2012 R2サポート終了
対策は進んでいますか?
Windows Server 2012 / 2012 R2は2023年10月10日にサポートが終了します。
サポートが終了すると、新たな脆弱性に対してセキュリティ更新プログラムや修正プログラムがマイクロソフトから提供されなくなります。
システム自体は使い続けることができるものの、脆弱性を狙った攻撃を防ぐことが難しくなり、
トラブル時にマイクロソフトのサポートが受けることができなくなります。
バージョンアップが理想だが、現実的には難しい
Windows Server 2019へ移行するメリットとして、Linuxの統合が容易になるほか、セキュリティの強化により多くの脅威を監視し対応することができるようになることが挙げられます。また、クラウド利用を想定して設計されているため、既存のローカル環境をMicrosoft Azureに容易に接続することができます。
Windows Server 2019へのインプレースアップグレードであれば、サーバーの初期化等を行う必要がなく、全ての設定やデータをそのままの状態で新しいシステムにアップグレードすることが可能です。ただ、インプレースアップグレードの場合、ソフトウェアの非互換性に伴うエラーが生じる等、データが破損するリスクがあります。そのため一般的にはクリーンインストールが推奨されますが、一度全てのデータを削除し再度インストールしていく作業が必要となるため、一定の技術が必要となり時間もかかります。また、それに対応できる環境の構築やライセンス料などの費用も確保しなくてはなりません。これらの事情から、システムが大きいほど現実的にアップグレードするためのハードルは高くなり、Windows Server 2012のまま移行に踏み切れない企業が多くあるのも事実です。
Windows Server 2012のシステムを継続利用できないか
「バージョンアップせずに、現行システムを使い続けたい」
Windows Server 2012/2012 R2で稼働しているシステムの継続利用を希望し、
ファナティックにご相談いただくお客様からは以下のような声をお聞きします。
1
安定稼働しており
刷新の必要がない2
バージョンアップによる
効果を期待できない3
インターネットに接続しないため、セキュリティの心配はない
利用企業に聞きました「バージョンアップしない」理由トップ3
「Windows Server 2012/2012 R2のサポート終了にともなう更新計画についてのアンケート」より
(調査期間:2021年8月3日~9月4日、118社より回答)
詳細レポートはこちらからダウンロードいただけます。
Windows Server 2012/2012 R2 サポート終了で
考えるべき3つのポイント
「OSがサポート切れになったら必ずバージョンアップ」と考える前に、
もう一度以下のポイントを考えてみてはいかがでしょうか。
1
「投資対効果」を考える
最も重要なポイントが投資対効果です。バージョンアップで得られる効果が費用に見合わないようであれば、一度立ち止まってシステムごとに濃淡をつけた対策を考えることで、IT投資の抑制や最適化につながります。
2
リプレースする「範囲」を考える
「将来的にはシステム全体をバージョンアップしたいが、検討に時間がかかるからしばらく延命したい」こうした例などでは、サーバーのOSやシステム全体を入れ替える必要はありません。ハードだけをリプレースするという方法があります。
3
「クラウドファースト」に疑問を持つ
システムの利用年数とクラウドサービスのサポート期間にギャップはありませんか。システムの生殺与奪の権を握られることに疑問はないか、潜在的な課題にならないかといった視点も必要です。
「ファナティック ハード入替サービス」にお任せください!
「ファナティック ハード入替サービス」は、他社製のハードウェアだけを新品に入れ替え、
OSを含むソフトウェア部分はそのまま継続利用し、システムを延命できるサービスです。
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3つのメリット
メリット
1
システム更新コストを
大幅ダウンできる
メリット
2
100%成功、安心して
移行できる
メリット
3
長期ハード保守で
安心して利用できる
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導入したお客様の例
事例 1
新基幹システムの開発プロジェクトが難航
現行システムを維持しなければならない
課題
新基幹システムの開発プロジェクトが難航しており長期化が避けられない。当面、現行システムを利用することになるが、メーカー保守が切れたサーバーを使い続けるのは不安。
解決
現行システムをファナティック製のハードウェアに移行。新基幹システムへの切り替え時期が多少延びても対応できるよう5年間の保守も契約した。
詳しくはこちら »
事例 2
製造業B社
単純なバージョンアップは費用対効果が低い
現行システムの更新費用はなるべく抑えたい
課題
OSをバージョンアップするだけでも意外と高額で、費用対効果が低い。現行システムをバージョンアップせずに維持できないか。
解決
新ハードウェア上でOSとアプリケーションがそのまま使えたため、更新費用が抑えられた。性能が上がり、大容量になったことで、処理時間が短縮した。
Windows Server 2012/2012 R2サポート終了対策ガイド
2023年10月のWindows Server 2012/2012 R2サポート終了対策も含めたIT投資のあるべき姿を見直すきっかけとしていただくために作成した資料です。
【こんな方におすすめ】
- バージョンアップの見積が高額で困っている
- 新システムが稼働するまでいまのシステムを延命したい
- いまのITコストに疑問を持っている
ダウンロードはこちら
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Windows Server 2012 R2の延長サポート期限は?
Windows Server 2022のサポート期限は?
リスト | 開始日 | メインストリームの終了日 |
Windows Server 2022 | 2021年8月18日 | 2026年10月13日 |
SQL Server 2022のサポート期限は?
Windows Serverの延長サポート期限は?
サーバ製品 | Microsoft製品サポート終了日 | |
延長サポート終了日 | ||
2016 | Windows Server 2016 Standard | 2027/01/12 |
Windows Server 2016 Datacenter | ||
2019 | Windows Server 2019 Standard | 2029/01/09 |