給食業務における品質管理とは何か品質を高めるためにはどんなことが必要か

投稿日:2019年07月23日

更新日:2021年06月01日

【品質マネジメント7原則】プロセスアプローチとは
  • プロセスアプローチとは、製品やサービスを提供するための各プロセスをシステムとしてみなし、運用すること
  • プロセスアプローチでは、工程と工程を組み合わせ、相互作用させることを意識する

ISOの解釈は審査機関、審査員により異なる場合があります。この記事の解釈はあくまで著者の解釈ですので、ご注意ください。

品質 マネジメントシステムでは、仕事はプロセス(業務)のつながりとみなします。組織内において、個々が決められた通りに業務を遂行し、次のプロセスへ引き継いでいく…そんな業務の流れの見方をすることで、マネジメントシステムはより効率的に、効果的に機能します。

ここで重要になってくるのが、品質マネジメント7原則にもある「プロセスアプローチ」です。今回は、この「プロセスアプローチ」とはどのようなものであるかを解説していきます。

ISOプロの料金やサポート内容をお客様の状況を踏まえて、ご相談できます。

目次

  • プロセスアプローチとは
  • ハンバーガーをつくるときのプロセスアプローチ
    • プロセスを明確にする
    • プロセスを相互作用させる
    • プロセスを運営管理する
    • プロセスをシステムとして適用する
  • 各プロセスが「なんのためにあるのか」を明確にする

プロセスアプローチとは

プロセスアプローチとは
プロセスアプローチとは、仕事のプロセスを明確にし、各プロセスの相互関係を把握し、一連のプロセスをシステムとして運営することです。簡単に言うと伝言ゲームが正確に行うことができるように調整するようなものです。品質マネジメント7原則では、経営資源と業務が一つのプロセスとして管理された場合には、望ましい結果が達成される――と考えられています。

プロセスアプローチの要点は、以下の4つです。

  1. プロセスを明確にする
  2. プロセスを相互作用させる
  3. プロセスを運営管理する
  4. プロセスをシステムとして適用する

プロセスとは、「インプット をアウトプットに変換する一連の流れ」です。例えば「ハンバーガーをつくる」という例で整理してみましょう。

ハンバーガーをつくるときのプロセスアプローチ

ハンバーガーをつくるためには、「パンを焼く」ことと、「ハンバーグを焼く」ことが必要になります。この2つのプロセスに分けて「ハンバーグをつくる」という目標達成に向けて、プロセスアプローチをしてみましょう。

プロセスを明確にする

プロセスA(パンを焼く)

インプット:パン
アウトプット:焼けたパン
利用する資源:トースト、電力、作業をする人
プロセスの詳細:

  1. パンが必要な枚数を決める
  2. パンを適切な大きさにカットする
  3. トースターを電源につなぐ
  4. トースターの適切な時間をセットする
  5. トースターにパンを入れる
  6. パンが焼ける

プロセスB(ハンバーグをつくる)

インプット:ひき肉、玉ねぎ、油、パン粉、調味料、ガス
アウトプット:焼けたハンバーグ
プロセスの詳細:

  1. 玉ねぎをみじん切りする
  2. 玉ねぎを炒める
  3. 炒めた玉ねぎとひき肉とパン粉を混ぜる
  4. ハンバーグの形に整形する
  5. 整形したものを焼く
  6. ハンバーグができる

プロセスを相互作用させる

この2つのプロセスを組み合わせて、ハンバーガーが完成するのです。つまり、プロセスAとプロセスBが相互作用することで、ハンバーガーが完成しているわけです。

――さて、ではこのハンバーガーの品質を高めるためにはどうすれば良いでしょうか? 上記で例に挙げたハンバーグを「おいしく作る」ためにプロセスを運営管理してみましょう。

プロセスを運営管理する

ハンバーガーをおいしくするためには、複数の方法があります。例えば、「良い素材を調達する」というのも方法の一つですし、「適切な火加減でハンバーグを焼く」ということも方法の一つです。もしかすると、パンをどれくらいの大きさにカットするのかによっても品質が変わってくるかもしれません。

上記の工程を「どの素材を仕入れるのか」「どれくらい焼くのか」「どのくらいの大きさにカットするのか」ということを、結果を見ながら最適化していくことで、継続的に品質を高めていくことが可能になるのです。

プロセスをシステムとして適用する

単に「ハンバーガーをつくる」というだけでも、資金や設備には限界があります。例えば毎回ハンバーガーを作るたびに最高級の牛肉を用意することはできません。予算300円でハンバーガーをつくる場合には、調達できる材料は限られますし、「自宅で」という条件が加われば、「自宅にある設備で」という条件が課せられることになります。

各プロセスの相互作用を考慮した上で、人、金、情報、設備をどのように割当てて、システムとして適用する必要があるのです。

各プロセスが「なんのためにあるのか」を明確にする

まとめると、プロセスアプローチは、各プロセスが何のためにあるのかを明確にして、課題を整理し、効果的に管理できるようにシステムとして組織に適用させていく流れのことです。
組織に適用させるためには、職人の経験と勘だけではうまく活用できません。そのためにレシピを用意するなど、誰が見ても同じように作業できるようにしなければなりません。

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この記事の監修者情報

残田康平

残田康平 ( ISOコンサルタント )

約5年間ISOコンサルティング会社で累計200社以上のISO構築に携わってきました。現在はISOプロのISOコンサルタントとして活動中。企業の得意・不得意を引き出しつつ、自社にピッタリなISOを構築することが得意です。これからISOに携わる人々にわかりやすい言葉で情報発信をしています。

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