2016年 07月 05日 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 30-24 疾患に伴う変化に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。 (1)× 心停止は、脳死の判定に含まれない。 (2)× 浮腫は、血漿浸透圧が低下すると生じる。 (3)〇 肥大は、組織を構成する細胞の容積が増大する現象である。 (4)× 肉芽組織は、炎症の慢性期に形成される。 (5)× 肉腫は、非上皮性の悪性腫蕩である。 正解(3) by kanri-kokushi | 2016-07-05 15:33 | 第30回国家試験 | Comments(0)
2021年9月19日 35-023 炎症と腫瘍に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。(1)急性炎症では、血管透過性は低下する。 正解と解説を見る 正解:3 【解説】 (2)×:慢性炎症でみられる浸潤細胞は、主にリンパ球である。 炎症には急性炎症と慢性炎症があります。 急性炎症は、炎症の原因物質が何か不明ですので、自然免疫による反応となるため、好中球が中心となります。 (3)○:肉芽組織は、組織の修復過程で形成される。 (4)×:良性腫瘍は、悪性腫瘍と比べて細胞の分化度が高い。 良性腫瘍は、ほとんど正常な細胞へと分化しているため、分化度は高くなります。 (5)×:肉腫は、非上皮性の悪性腫瘍である。 上皮性とは、皮膚の表面、消化管や気道などの内側、臓器などを覆う細胞のことをいいます。したがって、上皮性の腫瘍とは、表層部にある腫瘍という意味です。 一方、非上皮性とは、上皮ではない部位、具体的には骨や筋肉、血管などの細胞のことをいいます。したがって、非上皮性の腫瘍とは、内側にある腫瘍という意味です。 この非上皮性の腫瘍を肉腫といい、骨肉腫、横紋筋肉腫、血管肉腫などがあります。 また、上皮性がんに対して、浸潤性がんというのもあります。 上皮性がんはある特定部位の表面に固まって存在している腫瘍ですが、浸潤がんは特定部位の周囲に散らばったり染みたりした形で存在している腫瘍です。 ちなみに、上皮性の腫瘍(≒手術で切除できる腫瘍)を「癌」、浸潤性の腫瘍(≒手術で切除できない腫瘍)を「がん」などと表記をわけています。 解説内容が良いと思って下さったら、ぜひ下のいいねボタンを押して下さい!いいねを頂けると、解説を書く励みになります。 ✕1 .肥大は、炎症の徴候に含まれる。 →誤りです。 肥大は、炎症の徴候に含まれません。 炎症の4兆候は発赤、熱感、腫脹、疼痛です。 炎症は、物理的刺激(火傷や凍傷など)や化学的な刺激(化学薬品接触など)や、 ウイルスなどの微生物の感染に対して起こす生体の防御反応の1つです。 ✕2 .線維化は、炎症の慢性期より急性期で著しい。 →誤りです。 線維化は、炎症の急性期より慢性期で著しい症状です。 線維化とは、組織中の結合組織が異常に増殖してしまう現象のことです。 心臓、肺、肝臓、腎臓、膵臓など、脳以外のほぼ全身の主要な臓器で 線維化がおこる可能性があります。 ✕3 .肉芽腫は、良性腫瘍である。 →誤りです。 肉芽腫は、腫瘍とは区別されています。 肉芽腫とはマクロファージ系の細胞を中心とし、 他の炎症細胞も集積して形成される境界が明らかな慢性炎症病巣です。 ✕4 .肉腫は、上皮性腫瘍である。 →誤りです。 肉腫は、上皮性腫瘍ではなく、非上皮性腫瘍です。 肉腫は非上皮性間葉組織(中胚葉由来の脂肪組織、線維組織、血管、リンパ管、筋、腱、滑膜、骨、軟骨)および 外胚葉由来の末梢神経組織の性質を具えた腫瘍のことを指します。 〇5 .悪性腫瘍は、浸潤性に増殖する。 →正解です。 悪性腫瘍は、浸潤性に増殖します。 湿潤性は、悪性腫瘍の特徴の1つです。 その他にも悪性腫瘍の特徴として、細胞の異常増殖、 遠隔転移、再発を起こすことがあげられます。 |